先日の記事では、オニヤンマが空の王者と書きましたが、実はそのオニヤンマを襲う強者が天上山で見られます。
アブの仲間で、その名はシオヤムシヒキ。
漢字で書くと「塩屋虫引」、由来はオスの腹端部の白さが「塩」のように見えるから、という説があります。
交尾中のシオヤムシヒキ。腹部先端が白いため、左上がオスの成虫。
シオヤアブは体長2~3cm、全国各地に分布。
アブの中でも一番獰猛だと言われており、ときには自分よりも大きな昆虫を襲います。
このことから一見無敵と思われるスズメバチやオニヤンマであっても、このシオヤアブは恐れる存在ともされています。(もちろん、返り討ちにされることもあるそうで)
彼らの狩りの仕方は、ほかの虫たちを背後から襲い、太い口器を突き刺して麻痺させ、体液を吸い取ります。(一枚目の写真を見ての通り、硬い外骨格を持つコガネムシも関係なし)
これだけ聞くと何て危険な虫だ!!と思ってしまいますが、手を出さなければ人を襲うことはありませんのでご安心ください。
むしろ、幼虫もコガネムシの幼虫を食べるため、農業上の益虫とされています。
みなさんも天上山で「ぶーん」と羽音がしたら、慌てずに彼らを探してください。
もしかしたら、間近で狩りの瞬間を目撃できるかも!!
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