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執筆者の写真古谷 亘

ウスバキトンボ飛来

大雨が上がったあとの水溜りに一匹のトンボを発見。

トンボを見るとテンションが上がるので、今日は長々と書きます(笑)


正体は「ウスバキトンボ」、漢字では「薄羽黄蜻蛉」と書きます。

赤くは染まりますが、分類上は赤とんぼの仲間ではありません。


写真では伝わらないですが、羽は他のトンボと比べて薄いです。

胴体もすっかすかの軽量級で、後ろ羽も幅広でまるでグライダーのよう。

なぜ、そのような特徴を持っているかと言うと、彼らは海の上を飛んで本土に飛来するからです。

出発地点は東南アジア方面や八重山諸島など南方の地域。

冬が終わるとそこからから北上し、九州には4月頃に到着します。

そこでまず卵を産むのですが、このトンボが面白いのは、なんと卵から成虫になるまでの期間はわずか1ヶ月ぐらいという、驚異的な繁殖力を持っています。


実は途中で世代交代を繰り返しながらゆっくり北上するのです。 東京に到達するのはだいたい7月ごろ。最も数が多くなるのは8月、ちょうどお盆の時期にあたるため、このトンボの別名は「ショウリョウトンボ」(精霊トンボ)とも呼ばれています。


ですが、このウスバキトンボ残念ながら寒さに弱く、本土の冬を越すことができず死滅してしまいます。

無謀な旅かも知れませんが、これも種の生きるための戦略。

実際、地球温暖化により気温があがれば、このような種が範囲を広げていくわけです。


以上、ウスバキトンボのガイドネタでした。

このトンボは沖縄から北海道まで全国各地で見ることができますが、マニアックなお話を聞きたければぜひ神津島まで足を運んでください(^^)



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